Swissbit、IIoTやスマートシティ用途向けにコスト効率に優れた小容量ストレージ製品を発表
11/07/2023
日本・東京、2023年7月11日 - 産業向けフラッシュストレージ製品の独立系メーカー・Swissbit(日本法人:スイスビットジャパン株式会社、東京都新宿区、代表取締役 友森 健一郎)は、小容量フラッシュストレージの新製品として、組み込み用途に向けた153ボールBGAタイプの「EM-30シリーズ」とSDカードおよびmicroSDカードタイプの「S-56(u)シリーズ」を発表しました。
フラッシュストレージ業界ではストレージの大容量化競争が加速していますが、実際にはストレージの一部の容量しか必要としないアプリケーションも多数あります。こうしたアプリケーションには充電ステーション、スマートメーター、PVインバータといったグリーンIIoTテクノロジー用途が挙げられます。これらの機器は、起動プログラムやクラウドアプリケーションと通信を行うプログラムの保存にストレージメモリが必要になりますが、大容量のストレージは必要としていません。
スイスビットは、これらの要件を満たす4〜8GBの小容量のe.MMCとSDメモリカードを新たに発表し、ストレージ製品のラインナップを拡充しました。新製品のEM-30シリーズとS-56(u)シリーズは、3D TLC(トリプルレベルセル)NANDをベースにした製品であり、電断時のデータ保護、産業用途に対応した高い信頼性と耐久性を提供できるよう最適化が図られています。スイスビットの3D TLC NANDフラッシュは、より高価なSLC(シングルレベルセル)と同等、MLC(マルチレベルセル)を上回る性能を発揮します。
IIoTテクノロジーの普及は特にスマートシティ分野において顕著です。スマートシティでは充電ステーション、スマートメーター、インテリジェントなビル管理による持続可能なエネルギー生成と利用が重要な要素となっています。スイスビットは、これらグリーンIIoTアプリケーションの最も効率的な運用に向けて、小容量のストレージデバイスを提供しています。4GB~8GBの製品は、性能や寿命を犠牲にすることなく、起動用途や小容量のデータロギング用途に最適化されています。
EM-30およびS-56(u)シリーズ
EM-30製品シリーズ(153ボールBGA)はe.MMC-5.1仕様に準拠しており、完全な下位互換性を備えるとともに、-40°C~85°Cの厳しい動作温度環境にも耐えられるよう設計されています。ストレージ容量4GB~8GBの本製品シリーズは、長寿命な産業用グレード3D TLC NANDをベースに、リード最大280MB/秒とライト120MB/秒のシーケンシャル性能、11,000 IOPSのランダムリード性能と16,000 IOPSのランダムライト性能を提供します。
S-56(u)シリーズSDカードおよびmicroSDシリーズは、リード最大95MB/秒とライト最大74MB/秒のシーケンシャル性能を実現します。ランダムアクセス性能では、リード2,200 IOPSとライト1,300 IOPSを実現しており、高性能アプリケーションでの利用に最適です。また、S-56シリーズは高度なオーバープロビジョニング設計とpSLCテクノロジーを採用することで、書き込みを重視する用途に対しても高耐久性を実現しています。さらに、最大100,000 PEサイクルの書き込み耐久性によって、小規模データのロギング用途に対してもSLC製品を上回る書き込み耐久性を発揮します。
小容量のフラッシュストレージは、一般家電、決済端末やPOS、産業用制御システム、医療分野の診断装置やモニタリング装置など、さまざまな機器に最適です。