
EM-30シリーズの100ボール仕様の登場は、スイスビットにとって重要な技術革新であると同時に、メモリー事業における大きな転換点となるものです。また今回のアップデートは新製品の投入にとどまりません。スイスビットは、すべてのEM-30シリーズの製造をベルリンの自社工場へと完全に移行しました。この取り組みによって、製品の安定供給と品質保証の体制をさらに強化しています。
現在、EM-30 100ボールe.MMCはスイスビットのベルリン工場で製造されています。この施設は、ヨーロッパで唯一の「チップ・オン・ボード(CoB)」製法を用いたe.MMC製造拠点であり、安定供給と品質向上の両面で重要な役割を果たしています。自社製造によって、以下のようなメリットを実現しています。
それだけではありません。今回のアップデートでスイスビットは、112層の3D NANDを採用したBiCS5ベースの新モデルを導入しました。このモデルは産業用途向けに最適化されており、特にpSLCモードでは最大100,000回のP/Eサイクルを実現し、従来のBiCS3モデル(最大30,000回)と比較して、耐久性が大幅に向上しています。
さらに、100ボール製品としては初めて車載温度範囲(-40°C ~ +105°C)への対応を実現しました。これにより、自動車用途のみならず、屋外設置機器や産業用エッジコンピューティングなど、過酷な環境下でも安心して使用できる製品となっています。

「100ボール仕様はサイズが大きすぎるのでは?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、100ボールe.MMCはサイズ以上に多くの技術的な優位性を備えており、特に産業用途では以下のようなメリットがあります。
さらに、今回のアップデートでは、これまで露出していた開発用のテストパッドが覆われる仕様に変更されました。この改良により、腐食性ガスに晒されるといった過酷な環境下でも腐食を防ぐことができます。
今回のアップデートは、単なる新製品の追加にとどまらず、スイスビットが掲げる長期にわたって信頼できる産業用メモリソリューションの提供という理念をさらに強化するものです。ドイツ工場の一貫製造体制と新技術の導入により、EM-30シリーズはより高性能で信頼性の高い選択肢として進化しました。次世代の車載システムを設計するエンジニアの方々や、産業オートメーション分野で信頼性を重視する企業の皆さまにとって、EM-30シリーズは今後ますます有力なソリューションとなることでしょう。
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