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スイスビットのSDカードとmicroSDカードが選ばれる理由

24/06/2025 - Thierry Egloff

本ブログでは、スイスビットが提供するSDカードおよびmicroSDカードが過酷な環境下でも高い耐久性を発揮できる理由を解説します。耐久性を高める独自の技術や設計に触れながら、優れた性能をどのように実現しているのかをご紹介します。

はじめに

SDカードやmicroSDカードは、家庭用機器から産業機器まで、幅広い分野で活用されています。たとえば、一般のデジタルカメラのようなシンプルな家庭用機器で使われる一方で、産業機器では塩分やガス、振動など、過酷な環境下での使用が求められることもあります。こうした過酷な条件では、はんだ付け部分や金属接点が腐食や衝撃の影響を受けやすく、SDカードやmicroSDカードの寿命を大きく縮めてしまう原因になります。

耐久性を高めるCoB(Chip-on-Board)技術

スイスビットのSDカードおよびmicroSDカードでは、CoB(Chip-on-Board)技術を採用しています。これは、成形されたハウジング内にNANDフラッシュメモリとコントローラを封入することで、カード全体を機械的な衝撃や振動、湿気、静電気(ESD)などの外的ダメージから守る構造です。

CoB技術の主な特長

  1. 高い耐久性:外部からのストレスに強く、過酷な環境でも安心して使用可能
  2. 優れた環境耐性:湿気やほこり、腐食性ガスから内部を保護
  3. 高い信頼性:自動車や産業機器に求められる衝撃・振動への耐性
  4. 長寿命:過酷な条件下でも性能を長期間維持
  5. ESD対策:静電気に強く、安定した動作を実現

CoB技術は、過酷な環境下で使用されるSDカードにおいて、耐久性と信頼性を大幅に向上させる技術です。現在、市場に出回っているSDカードの多くは、SMT(表面実装技術)によって製造されていますが、スイスビットでは、自社内でCoB技術を用いてSDカードを製造しています。また、microSDカードは構造上、CoB技術でしか製造できないため、CoB技術を持たないメーカーでは、これらの生産をODMパートナーに外部委託するのが一般的です。一方スイスビットは、SDカード・microSDカードのどちらにおいても、設計から製造、品質検査に至るまで、すべての工程を自社で一貫して行っています。CoB技術を活用し、サプライチェーン全体を自社で管理する体制を確立している点が大きな特徴です

SMT(表面実装技術)との違い

現在、市場に流通している多くのSDカードはSMT(表面実装技術)によって製造されています。これは電子部品を回路基板の表面に直接取り付ける方法で、小型化や迅速な組み立てが可能です。しかし、この方法は湿気や異物の影響を受けやすく、さらに衝撃や振動、静電気にも弱いという欠点があります。

CoB技術はSMTを上回る性能を発揮

総じて、CoB技術はSMTに比べて過酷な環境下でも優れた耐久性、耐性、信頼性を発揮します。スイスビットは、すべてのSDカードおよびmicroSDカードを、独ベルリンにある最先端の半導体製造施設でCoB技術を用いて自社生産しています。これにより、脆弱なはんだ付け箇所をなくし、産業用途、オートメーションやロボティクスなどの厳しい市場に安心して使用できる最適な製品を提供しています。

頻繁な抜き差しにも強い金メッキ接点

SDカードやmicroSDカードは過酷な環境にさらされるだけでなく、本来プラグ・アンド・プレイの特性を持っているため、何千回もの抜き差しにも耐え、摩耗が進んでも安定した動作を維持しなければなりません。この課題に対応するため、スイスビットはCoB技術用に特別に開発した金メッキ接点を組み込み、信頼性を大きく向上させています。

金メッキ接点の主な特徴

  • 優れた耐腐食性:特別に開発された金メッキ接点は優れた耐腐食性を備えており、過酷な環境下でも長期的な信頼性を確保
  • カスタム合金による厚みのある金メッキ層:スイスビットでは、独自に開発した高性能な金合金を使用し、通常より厚い金メッキ層を採用
  • 高い耐摩耗性:この金メッキ接点は高い耐摩耗性を持ち、カードの抜き差しを何千回繰り返しても安定した動作を確保
  • 電気接点の品質向上:厚みのある金合金層により電気接点の品質が向上し、安定した性能を維持するとともに、接触不良のリスクを低減

CoBと金メッキによって実現する最高の耐久性能

スイスビットのSDカードおよびmicroSDカードは、堅牢なCoB構造と高耐久な金メッキ接点という2つの技術を組み合わせることで、過酷な環境下でも頻繁な抜き差しによる摩耗に確実に耐え、長期間にわたり安定した信頼性の高い性能を発揮します。

産業環境を想定した厳格な評価試験

スイスビットでは、SDカードおよびmicroSDカードの信頼性と耐久性を確かなものとするため、厳しい産業環境を想定した評価試験を実施しています。高温・多湿・高圧・機械的ストレスなど、過酷な条件下でも安定して動作するかどうかを徹底的に検証しています。これらの試験を通じて基板の品質を評価し、スイスビット製品の高い信頼性と長期的な安定性を確保しています。

評価試験の主な内容

  • H₂S試験:硫化ガスへの耐性を評価
  • ジメチルグリオキシム試験:特定化学物質に対する耐久性の確認
  • X線蛍光膜厚測定:金メッキ層の厚みを高精度に測定
  • 抜き差し耐久試験:最大20,000回の繰り返し動作を確認
  • 圧力鍋試験(PCT):高温・高湿環境への耐性を評価
  • 温度サイクル試験:-40℃〜+125°Cの温度変化に対する耐性の検証
  • 断面分析/音響顕微鏡検査:内部構造の健全性と損傷有無を評価

結論

スイスビットのSDカードおよびmicroSDカードは、CoB技術と金メッキ接点という2つの中核技術によって、優れた耐久性と信頼性を実現しています。振動、湿気、温度変化などの厳しい環境下でも安定した性能を長期間維持できるため、長寿命と信頼性が重視される産業用途に最適です。

過酷な環境でも安心して使えるメモリーカードをお探しなら、ぜひスイスビットにご相談ください。お客様の用途に合わせた最適なソリューションをご提案いたします。