エッジサーバーが求める6つのストレージ要件とスイスビットのソリューション
27/10/2025 - Martin Schreiber
本ブログでは、エッジサーバーの運用環境においてストレージソリューションに求められる6つの要件について取り上げ、それぞれの要件の詳しい内容と、スイスビットの製品がどのように対応しているかを具体的にご紹介します。
エッジサーバーに求められる要件
一見すると、エッジサーバーは一般的なサーバーと大きな違いはないように思えるかもしれません。しかし、実際にはその用途や要件には大きな違いがあります。エッジサーバーは、設置場所や用途に応じてコンパクトかつ耐久性に優れた設計が求められ、過酷な温度環境下や車両など移動システムでも安定した稼働が要求されます。さらに、移動中の衝撃や振動に耐える堅牢な構造が不可欠でありますが、多くのエッジサーバーでは設計上の制約からファンレス設計が採用されています。このような設計では、装置内での十分な冷却が行えないため、コンポーネントが温度変化に強く、一定のパフォーマンスを維持できることが求められます。特に、ストレージ製品においては、広い動作温度範囲で安定した性能を発揮することが重要です。また、データの安全性を確保するためには、暗号化やリモート管理機能などの高度なセキュリティ対策も必要となります。
エッジサーバー向けストレージに必要な6つの要件
エッジサーバー向けのストレージ製品にとって特に重要な6つの要件、それに対応する具体的なユースケース、そしてスイスビットの製品をご紹介します。
1. 広範囲な動作温度と低消費電力
ユースケース:交通管理システム
交通管理システムでは、膨大なデータを現場でリアルタイムに処理するために、エッジコンピューティングの活用が不可欠です。こうした用途には、過酷な環境下でも安定して稼働できる、高速・高信頼・高セキュリティなストレージソリューションが求められます。特に、設置スペースが限られ、温度変化の激しい環境では、発熱を抑えつつ、広い温度範囲で安定動作できるフラッシュストレージが必要です。
製品:スイスビット N3002

- M.2(2242、2280)
- PCIe Gen4 / NVMe 1.4 / 4レーン
- 3D NAND TLC(最大4TB)
- 産業用途に最適化
2. 高耐久・小型設計と継続的な書き込み性能を備えたストレージ
ユースケース:産業用IoT(IIoT)
製造現場では、IIoTゲートウェイを介して機器を中央システムやクラウドと接続することが一般的です。こうしたゲートウェイには、連続的なデータ記録と、低遅延での処理を支える信頼性の高いストレージが求められます。これにより、シームレスな運用と予知保全を実現することが可能になります。
製品:スイスビット N2000

- M.2(2230、2242、2280)
- PCIe Gen3 / NVMe 1.4 / 4レーン
- 3D NAND TLC(最大960GB)
- 厳しい環境・省スペース向けに設計
3.リモート管理機能を備え完全暗号化されたSSD
ユースケース:医療
医療機関では、HIPAAやGDPRといった厳格な規制に準拠しながら、医療記録や診療情報を安全に管理することが求められます。こうした要件に対応するためには、高性能かつ完全に暗号化されたSSDに加え、リモート管理機能も重要です。これにより、画像診断システムや電子カルテで扱う大容量データに対して、万全なセキュリティと高いアクセス性を確保することができます。
製品:スイスビット N3000

- M.2(2242、2280)
- PCIe Gen4 / NVMe 1.4 / 4レーン
- 3D NAND TLC(最大4TB)
- エッジ用途に最適化
4. 長寿命の高耐久SSD
ユースケース:通信基地局(Netcom)
5Gネットワークなどの通信インフラでは、常時データを書き込み続ける必要があるため、長期間にわたって安定した性能を保てる高耐久SSDが求められます。こうしたSSDは、交換頻度の低減やメンテナンスコストの削減にもつながります。
製品:スイスビット A1200

- M.2(2280)
- PCIe Gen4 / NVMe 1.4 / 4レーン
- 3D NAND eTLC(最大2TB)
5. 電源障害に対応する保護機能を備えたSSD
ユースケース:電力インフラ/スマートグリッド
スマートグリッドでは、リアルタイムで電力の分配状況をモニターするために、エッジデバイスやローカルサーバーが活用されています。こうしたシステムでは、電断保護機能を備えたSSDを使用することで停電時でもデータの整合性を確保し、継続的な運用と迅速な復旧を可能にします。
製品:スイスビット N3000

- M.2(2242、2280)
- PCIe Gen4 / NVMe 1.4 / 4レーン
- 3D NAND TLC(最大4TB)
- 電力影響にセンシティブな用途向け
6. エッジデータセンター向けの高性能・省エネストレージソリューション
ユースケース:AIエッジコンピューティング
エッジAIアプリケーションでは、処理をローカルで行うことで遅延を抑え、リアルタイムの意思決定を実現します。予知保全やデータ分析といった高度なタスクに対応するためには、持続的な高性能、優れたQoS(サービス品質)、低遅延、そして高いエネルギー効率を備えたストレージソリューションが不可欠です。
製品:スイスビット D2200

- Gen5 U.2 および E1.S(15mm、4~32TB)
- 優れた4Kランダム読み書き性能
- 読込最大14GB/s、書込最大10GB/s
- エネルギー効率:最大970MB/s/W
結論
エッジサーバーが導入される領域は、交通、医療、製造、エネルギー、AIなど多岐にわたります。各分野で求められるストレージの性能は異なりますが、スイスビットはそれぞれのニーズに的確に応える製品を提供しています。特に、N3000、N2000、A1200、D2200といった製品群は、堅牢性、信頼性、セキュリティ、省電力性などの観点から、エッジ環境に最適なストレージソリューションです。スイスビットの技術と製品を活用することで、エッジサーバーの可能性を最大限に引き出し、次世代の技術革新をともに切り拓いていきましょう。
エッジサーバーでの運用環境に適したストレージの選定や導入をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。![]()