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Swissbit Insights: 新しいPCIe Gen4試験システム

11/06/2024 - Lars Lust

スイスビットでは、PCIe Gen4試験システムを自社開発し、2024年第1四半期からベルリンの生産施設で運用を開始しています。このシステムは1テスターあたり64個のテストソケットを備え、-40°C ~ +85°Cの温度範囲で動作し、既に数千個に及ぶm.2フォームファクターのPCIe-SSDがテストされています。

重要な節目

この試験システムの導入は、スイスビットの新しいPCIeファミリであるN-3xxx製品の製造にとって極めて重要なステップです。N-3xxx製品はPCIe Gen4をベースとして、PCIeレーンあたり最大2GB/秒の速度で動作します。通常、m.2 SSDはデータ転送に4つのPCIeレーンを並列に使用し、最大合計データ転送速度8GB/秒を実現します。

システムの詳細

この新しい試験システムでは、テスト対象のPCIe-SSDとテスト装置間の接続にPCIeスイッチカードを使用して高い信号品質と柔軟性を実現しており、産業用途製品に要求される拡張温度範囲にも対応しています。また、テスト対象デバイスをチャンバー内で独自の設定で接続するために、複数のプリント回路基板(PCB)を新たに設計し実装をする必要がありました。

さらに、実際の信号品質を確認するために、アイ・ダイアグラム測定(信号整合性の可視化)用の50GHzオシロスコープや、物理的な伝送経路上の信号減衰を測定するベクトル・ネットワーク・アナライザー(VNA)といった最新の測定技術も取り入れられています。

Detail view PCIe Gen4 Test System in Swissbit’s Berlin production facility.
スイスビットのベルリン製造ラインで稼働している最新のPCIe Gen4試験システム。

シームレスな統合とインフラ

新しく開発された試験システムは、既存の試験インフラとシームレスに統合され、同種のテスターとも連携が図られています。スイスビットの試験インフラには、製品仕様とテスト結果用のSQLデータベース、制御されたIT環境でのテスター監視、温度チャンバーを-45°Cまで冷却する窒素供給などが備わっています。

この新世代の試験システムは、新しい生産施設が設立された2019年以降使用されてきた従来のPCIe Gen3試験システムの後継のシステムになります。また、このPCIe Gen4試験システムによって作業工数も大幅に簡素化することができました。

将来を見据えて:革新と品質への取り組み

現在、スイスビットは従来のPCIe Gen3試験システムのアップグレードに取り組んでおり、これによってGen4のテスト能力をさらに拡大することができます。さらに、PCIe Gen5へのテスト技術強化の為の開発もすでに開始しています。

スイスビットでは、新しいPCIe Gen4試験システムを製造プロセスの中で最も重要な装置の一つと考えています。この試験システムは、私たちが提供するPCIe製品の品質を保証し、次世代PCIeへの道を切り開くものです。私たちは、この先進的な試験システムへの投資によって、ますます高まる市場ニーズに応える優れた製品を継続的に提供できると確信しています。

スイスビットは、今後もテスト技術の開発を進め、製品の最高品質を確保し続けてまいります。